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ハンマー走り・角度・間隔
作業を行うことによって残留内部応力を作るので、調整後どのように経時変化していくか予想する必要がある。できれば調節と仕上げを別の日に行った方が良い。作業
調整のみ
フレンジのレールへの付き方を変える。力はあまり入れないようにすること。力を入れても軸受を傷めるだけである。調整後は内部応力が各点に残っているはずである。あまり一瞬の見た目を追及しない事を勧める。見た目の追求より、応力を散らしながらの作業に専念しましょう。 他に、センターピンと平行に左右に動く遊びがある。ここでも調節できる場合がある。フレンジをレールから外さずにバットsprコードを交換後、ハンマー間隔が変化している場合はこれに大いに起因する。紙を挟む場合
市販ののり紙のような厚い紙は、貼ってから数時間は急激に薄くなっていく。厳密には、ネジ締めトルクによっても変化具合は変わる。 ネジを付け外しすることになるが、アルミレールのネジ穴を傷めることになるので無制限に作業しない方が良い。工具に依るが、ジャック軸受にも負担が掛かる。 二次的な事ではあるが、ハンマーレールを取り外して、ブライドルを触らない方がピアノには優しい。 紙を挟む場所であるが、各々ピアノをよく観察し、頭の中でフレンジに掛かる荷重を計算して欲しい。挟む位置は特に指定はしない。勘ではなく、観察によって判断した方法は成功へ繋がっているだろう。目標
シャンクの進行方向と、ハンマーの向きを揃える。そして弦に対して均一に接触させることを基準とする。 設計の理想*は置いといて、現場では優先順位を見た目に惑わされずに判断することが必要である。 一般的に言われる「走り調整」とは、ずれを全体で揃えて部品が干渉しないようにすることである。つまり現実には、走りと音に関連は無い。音に影響する内容(ファイリングの項目で詳述)と、構造上必要な遊びを判断すること。 弦溝が有るの普通の状況でも、自由度は狭いかもしれないが判断方法は同じである。時には弦位置を調整する必要があるかもしれない。*シャンクの進行方向はハンマーの向きに沿っていて、弦の中心に向かっていることが一応の理想である。