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整調:基準について
しばしば言われる事に、「新人はまず基準に合わせることから」「基準とは基本である」「最低でも基準には合わせる」等々がある。このような概念も文書化を試みれば、道理が一貫しない矛盾に気付くはずである。公差
容認できる誤差の範囲のこと。非常に重要な数値なのだが、ピアノ整調や調律の世界で語られることは無い。(例:この寸法は+-○○の範囲で揃えなさい。)許容限界
容認できる最小(または最大)の値のこと。ピアノ業界では、「機能不全にならないように」という言葉で置き換えている、とも言える。(例:この寸法は、これ以上狭くしてはいけない。)比較寸法
ピアノ技術で言われる「基準寸法」とは基準にではなく、ただの参考である。また、ピアノ固体差や使用目的によって変化する整調寸法が、平均的にみてどうなのか簡易に比較できる対象のことである。決してこの比較対象に合わせてはいけない。例えば、平均寿命と比較して、長生きかどうかという一つの判断ができる。比較するだけで、平均寿命に自分の命を合わせてはいけない。
ピアノの基準寸法が平均的な寸法になっているかと言うと、そうとは限らない。ピアノ固体によっては、基準では機能不全になったりもするので、基準寸法を目標にするのは危険である。