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Sauter R2アクション
従来のコイルスプリングとさらに、ジャックの脱進運動にだけ作用する板ばねを追加したUPレぺティションアクション。特徴
従来のコイルスプリングだけでは、ばねを強くして連打性を上げようとしたらタッチが重くなってしまう。このR2アクションは、鍵盤あがき上半部分は変わらずに、下半部分のみタッチが重くなる。考察
R2アクションは連打性が高いと言われるが、理論的には嘘である。従来のコイルスプリングで十分その機能を発揮できる。ただ単に、コイルスプリングと板ばねではタッチ感が違うだけの話である。確かに古い時代の科学では、コイルスプリングだけでは必要な力を得難いので、ばねを追加して足りない力を補う必要もあっただろう。ところが現代人から見れば、無意味に多大な費用を掛けて板ばねを追加するより、コイルばねの設計を変更するだけで解決する。それに掛かるコストは非常に微々たるものであろう。ばねを選べるのは良いことであるし、もう少し強くても全然構わないと思う。ただ、板ばねは無意味に高価である。
なぜコイルスプリングの設計を見直さないのか?見直さない業界という理由もあるが、この部分が機能に与える影響がそれ程無いということもある。このジャックスプリングの強さによって連打性を求める考えは、UPの根本的な劣点を一切解決させていないからである。また、sprが強ければ強いほどパーツへの負担が大きくなる。早い話、リンク機構によりジャックの往復運動を同じにしてしまえば目的は達成される。なぜリンクではなくsprを使うのか?なぜsprは弱いのか?根本構造を理解していない、小手先だけの無価値な特許をこれ以上増やして欲しくないものである。